2009年01月16日

オヤジの女房はオレの女 66

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 午前中、オレはデスク見積り請求書その他の書類をやっていると、瞬く間にお昼になった。
 オレは響子の作った弁当を持って、食堂へいった。いつものように、会社支給のお茶を片手に隅っこのテーブルに一人で座り弁当を開いた。
 響子の弁当は、ゴハンとオカズ、それぞれ入れ物が二つに分かれていた。オカズの容器を開けたときは普通に、タマゴとかハンバーグ、エビフライ、それにブロッコリーなどの野菜があった。 
 びっくりしたのは、ゴハンの方だった。蓋を開けると白いゴハンの上に、焼き海苔を細長く切ったやつで“ガンバレー”との文字がオレの目に飛び込んできたのだった。
 これには、さすがにオレも驚いた。
「ほお〜、お前が弁当なんて珍しいな。ガンバレ弁当かよ」
 いつもオレを怒鳴ってばかりいる課長だった。後輩のくせに、オレをコケにした態度しか取らない奴らも一緒だった。
「お前、お袋さん、もう居なかったんじゃなかったっけな。お前に、女なんて出来るわけないし。どうしたんだ、それ?」
「・・父が再婚しまして、その母が・・」
「でも、先輩、あんまり頑張らないほうがいいですよ。また、ドジるから」
と、一人の後輩が言うと、それを機に課長を始め皆がいっせいに笑った。
 むこうのテーブルには女たちが、何事かとこっちに顔を向けていた。そして、オレを見つけるといかにも軽蔑したような顔をして、すぐにそっぽを向いてしまった。
「ハハハ、二度目のお袋さんの手作りか。こんど俺にも、その“ガンバレ〜”って弁当、作ってくれるように頼んでくれないかな。どうだ? ハハハ」
「先輩、俺にも、頼みますよ。ハハハ」
「いいですねぇ・・。そんで、皆で、バカになるんですか。俺、辞めとく」
「ハハハ、バカはないだろうよ。いくらなんだってさぁ。なあ、おい」
と言って、課長がオレの肩を叩いた。皆がまたいっせいに笑った。
「いいなぁ、お前、いいお袋さん持って。ついでにオッパイでもしゃぶらせてもらったらどうだ」
「ハハハ、甘えられていいなぁ」
「甘えついでに、いろんなこと教えてもらったらいいじゃないですか、先輩」
「いろんな事って、なんだい?」
と、課長が今言った後輩の男に聞いた。
「そりゃ、いろいろですよ。だって、二度目のお袋さんなら他人じゃないですか。一緒に住んでるんだから、お風呂ぐらい覗いたっていいじゃないですか」
「それもそうだな。もしかして少しぐらい触らせてくれるかもな」
「大事なとこ、触ってたりして」
「ハハハ、そりゃいいや。おい、今度のお袋さん、歳はいくつだ? まだ若いのか?」
「はい」
と、オレは仕方なく言った。
美人か?」
「それなりです」
「今度、紹介してくださいよ」
と、後輩の男が言った。
「仕事のことは関係ないだろ」
と、オレはその後輩を睨みつけた。
「そうだよ、度紹介しろよ。どんなお袋さんか拝見したいもんだ。色っぽい女だったらオお近づきになりたいもんだ」
 オレが座ったテーブルを囲むようにして、課長をはじめ、それぞれが勝手なことを言っていた。オレは黙っていた。
「ふん、“ガンバレー”かい。なるほどねェ〜〜」
と、最後に課長が言い残して、皆そろって他のテーブルに行ってしまった。

つづく



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2009年01月15日

オヤジの女房はオレの女 65

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「それと、あなたのお父さん、リョウちゃんの居ないときに、たまに来てるわよ。ここにね。気をつけなさい・・」
「何で、オレの居ない時になんか・・」
「バカね。分からないの」
「・・響子は、オレに何も言わなかったぞ」
「落ち着きなさい。お姉ちゃんは、そんなオンナじゃないわ。・・お姉ちゃんを信じてあげて、ねっ。お姉ちゃんは、リョウちゃんにぞっこんよ。どういうわけだか知らないけどね。月とスッポンカップルよ。本気よ、お姉ちゃん。あれみれば、分かるでしょう」
「うん」
と言って、オレはタオルで顔を拭いた。
三人で朝食のテーブルに着きながら、響子と雅子は、昨日のことなど何も無かったように、女同士ぺチャクチャと喋っている。その横でオレは、なるだけ響子の顔を見ないようにしていた。
オレは食事を済ますと、早々に家を出た。
 オヤジがオレの居ない時を狙って、オレたちの家に来ているという。とすれば、その目的はやっぱりアレか。オレの居ない時にオヤジが来て、オレに内緒で・・。とすればオヤジは響子の太ももを見ているってことだが、それはないだろう。
響子は、もうすでにオレのオンナだ。オレとの関係を知っていようがいまいが、もう響子をオヤジに返すつもりはない。
その朝、オレは電車に揺られながら、いつもは持たないカバンを抱えて、そんなことを考えていた。
カバンの中には、響子が作ってくれた弁当が入っている。というか、それっきり入ってなかった。愛妻弁当?? でもないが、オレの気持ちとしては、響子をこのままオレの女房にしたい。これまでオンナに一切縁の無かったオレが、この先響子よりいいオンナに巡り会える可能性は、限りなくゼロに近いと思うからだ。
 オレのために弁当なんか作ってくれるオンナは、死んだ母親を除けば響子だけだ。それだけじゃない。オレの服やパンツなどの下着だって洗ってくれるし、散らかしたオレの部屋だってキレイに片付けてくれている。よくよく振り返ってみれば、家の中はもちろんだが、オレの生活全般について、すべて響子任せになっていた。さらに、オレの性欲の処理だって響子なしには考えられない。オレはこのオンナを手放してはいけないと、心の底からそう思う。そう思うと、今度からもっと優しく扱わなければいけないとも思う。
 そのためにも、オヤジとは話をつけなければならない。オレは今まで響子を抱くことばかで、肝心のそのことについては、雅子に言われるまで気づかずにいた。
“そうだ、オヤジと決着をつけよう”
 すべてはそれからだ、と、オレは心の中で思った。

つづく


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2009年01月14日

オヤジの女房はオレの女 64



今オレは、オレの腕の中で眠る響子の寝顔を見ながらそんなことを考えていた。そしてそんな響子に、オレは気高さを感じていた。
 オレが目覚めると、もう響子はオレのベッドにいなかった。オレはなんとなく物足りなさを感じた。夜はもちろんだが、朝、目覚めてからの響子のカラダも、オレにはもうなくてはならないものになっていたからだ。
下へ降りると、キッチンで朝飯の支度をしている響子の姿があった。
「おはよう、よく寝れた?」
と、響子がオレに言う。
「うん」
オレは、昨夜の響子のハダカを思い起こしていた。薄暗いオレの部屋でガウンを脱いだ響子は、その下には何も身につけていなかった。白いカラダがベッドに備え付けられた小さな電球の淡い灯りに照らされて、ボワッと輝いているように見えた。
今そのカラダが服を着て、キッチンで忙しそうに立ち働いている。
「そう。リョウちゃん、お弁当作ったわ。今日、会社に持って行ってね」
と、響子が流し台で何か洗いながら言った。
「なんで・・」
「いや?」
「そうでもないけど」
「じゃ、持っていってよ。せっかく作ったんだから。たまにはいいわよ、お弁当も」
「うん。・・雅ちゃんは?」
「まだ、寝てるわ」
「そうか、仕事ないもんな。いいなぁ」
「雅子は雅子で大変よ。さっ、リョウちゃん顔洗って、ゴハンよ」
「雅ちゃんも、大変なのかなぁ?」
「当たり前じゃないの。大変じゃない人なんて、生きてない証拠だわ」
と言って、響子がニコリとオレに笑う。
「そんなもんかね」
 雅子が廊下の向こうの響子の部屋から、いきなり顔を出した。そして、廊下を跨ぐようにしてキッチンに入ってくると、
「そうよ、青年。あたしだってね、大変なのよ。・・昨夜はごちそうさま。おかげで、ほとんど寝れなかったわ」
と言った。
 響子は真っ赤になって顔を伏せた。流し台の向こうへとカラダを廻し、後ろ姿のまま、
「・・雅子、ゴメン」
と、小さな声で言った。
「いいのよ、響姉ちゃん。あたし、責めてなんかないよ。ただ、・・だんな様がちょっと頼りないかなぁって思うだけよ」
 オレはすごすごと、顔を洗いに洗面所へ行った。
 オレが水道の水で顔をバシャバシャやっていると、雅子がやってきた。
「リョウちゃん、昨日はゴメンね。言いたいこと言っちゃったわ。・・お姉ちゃん、頼むね。幸せにしてあげて。・・それとね、リョウちゃん。これからが、リョウちゃんの戦いだよ。リョウちゃん、どうあれお父さんのオンナを取っちゃったんだからね。きっちりお父さんと話しつけて、響姉ちゃんを自分のモノにしなさいね」
「うん」

つづく



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2009年01月13日

オヤジの女房はオレの女 63

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「響子、どこが気持ちいい? ねえっ、どこがいい?」
「・・カラダじゅう」
「カラダのどこがいい?」
「はぁ〜、はぁ〜、リョウちゃん・・全部よ、・・カラダ中が、シビレルわ・・」
と、激しい息遣いの中、響子がそう言った。
 オレはもう、響子以外のオンナなどどうでもよかった。
雅子でさえ、オレにとっては、そのどうでもいいオンナになっていた。
 結局のところ、雅子は上流階級のオンナだった。オレやオレのオヤジ、その他の人間たちから比べれば、自分たち上流の人間は、また格別な存在ぐらいに思っているのかもしれない。そして、姉の響子は、雅子にすればやっぱり自分と同じ上流の人間であり、オレとはまったく違う人間なのである。そんなわけもあって、オレが響子の義理の息子であり、その実まったくの他人であれば、親しくもするし仲良くもするが、その線を越えて近い存在になることは、絶対に許せないといったところかもしれない。
 雅子にすれば、もちろん響子も含めて、自分たちはエリートであり、オレやオヤジたちとは違うのだ。
姉の響子が、そのエリートたちからひどい目に遇わされてきたにもかかわらず、雅子は
やっぱりエリートにしがみつている。その証としてオレたち一般庶民に対して、どこか見下した眼をもっている。確かにオレは東大も出ていないし、外国に留学もしていない。会社だって、とりあえず一部上場企業ではあるが、雅子にすれば、そんなもの取るに足りないことだろう。
だから、オレと響子のことについても、年齢的な問題というよりも、むしろそっちの方が気になることなのではなかろうかと、オレは思うのである。
それに比べて姉の響子は、エリートである前に、どうあれ一人の人間だった。響子にすれば、オレやオヤジその他の人間たちも、響子自身も含めて、すべてが分け隔てなく普通の人間なのである。
響子にすれば、特別な人間などいなくて、ただ人間のオトコとオンナが存在するばかりなのだ。そして、オンナである自分がオトコであるオレを受け入れた以上、自分はそのオトコのモノであり、そのオトコに対して一人のオンナにすぎないのだ。その時から、自分の経歴など鼻に掛けることもなく、従順でかわいい、ただの普通のオンナに納まってしまうのである。
しかし、だからこそ、どんな目に遭わされても、どんな境遇に置かれても、気高さを失うことのない芯の通った普通の強い人間でもあったのだ思う。そのような響子でありえたのは、響子は充分にエリートの経歴とあるいはその実力を持ちながら、オレたちと同じ庶民だったからではないだろうか。
だからこそ、オレのような者にでも理解を示し、包み込むような大きさと優しさを持っていたのだ。
響子はエリートなどではなく庶民だったからこそ、どんな目に遭っても、汚泥にまみれても、決して穢れることがなかったのではないだろうか。

つづく


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2009年01月09日

オヤジの女房はオレの女 62

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 その夜、オレはベッドの中で、どうしても寝つけなかった。雅子に宣言した自分の言葉が頭から離れず、その後もずっと興奮が収まらなかった。
“響子は、オレのモノだ”
とオレは、雅子に精一杯に宣言した。でも、雅子はオレなんかガキ扱いして、取り合ってもくれなかった。でも、オレはもう響子を離すつもりはない。雅子がなんと言おうと、響子はオレのモノだ。響子はオレのオンナだ。当の響子自身がそう言っているのだ。オレは誰にも、遠慮なんかする必要はないのだ。
 それにしても、響子の大胆なのにはビックリした。まさか、オレがマジックで書いた、あの白くてキレイ太ももの、あの場所に、そのまま刺青なんかしてくるとは。ほんとのところは、オレにしてみれば、あれはイタズラ程度のものに過ぎなかったのだ。それは敬愛する者への、意地悪、苛め、という形をとった甘え。そうでなければ、美しい女を穢して喜ぶ、淫靡で卑猥な男の性的快感。それに、響子を征服することによって得られるオトコとしての満足感。まあどれをとっても、ろくでもない情念に支配されていなければ、出来ることではないかもしれない。
 しかしそれは同時に、オレ自身のオトコを満足させることも事実でもあった。いや、オレはもう、それが癖になっているかもしれない。これからも何度も、響子を辛い目に合わせて、泣かせて、喜んでいるかもしれない。なぜなら、オレが買い揃えたアダルトグッズは、まだ捨てずにそのまま、オレの押入れに保管されているからだ。オレはたぶんきっと、それらの全部を響子に使うだろう。
響子を陵辱し、苦しめ、泣かせ、悲痛な声を上げさせ、それを楽しみにしている悪魔のようなオレが、オレ自身の中にいる。オレは、もうそれに気づいていた。
 ふと気がつくと、二階のオレの部屋へと通じる階段が、ミシ、ミシと音を立てている。その音は階段を上り切ると、オレの部屋の前で止まった。
「リョウちゃん、まだ、起きてる・・」
響子の声だった。響子は部屋の扉を開けながら小さな声で、でも透き通るような声で、
「リョウちゃん・・」
と、オレを呼んだ。オレはベッドに備え付けられている小さな灯りを点けた。
「雅ちゃんは・・」
「寝てるわ、たぶんね」
「そうか」
と、オレが言うと響子はニコリと笑った。
「脱げよ」
と、オレが言った。響子が腰のあたりの結びを解くと、ガウンが床に落ちてバサリと鈍い音を立てた。響子のカラダが淡い部屋の明かりに照らされて、ボワァと白く輝いていた。ガウンの下に身に着けているモノは何もなかった。温もりを感じさせるような白い肌。ほっそりとしなやかな艶かしい姿態。全裸の響子が、オレのすぐそばにいた。

つづく


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2009年01月08日

オヤジの女房はオレの女 61

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「あたしなんて、さんざん、その社会的に力のある人たちからオモチャにされて、もう穢れ切ってるわ。養父に犯され、監禁され、そのあげく、養父のお客さん達や部下達からさえ、いいようにオモチャにされ犯され続けてきたオンナに過ぎないわ。リョウちゃん、あたしはそんなオンナなのよ。あたしはね、金持ち達の相手をさせられてきたオンナなの。アメリカから帰国して、しばらくして就職もきまったわ。そのお祝いだと言って、養父の主催する十数人のバーティにあたしも呼ばれたの。そして行ったら、いきなりハダカにされて、そこにいた男たちに犯されたわ。中には女の人も数人いたわ。その女達も助けてくれるどころか、一緒になってあたしのカラダで遊んでたわ。おかしな道具を使ってね。それからあたしは、ハダカのまま監禁され、毎夜、養父のオモチャにされたのよ。養父は自分が満足すると部下を二・三人連れてきて、その人たちに犯されるあたしを見て楽しんでたわ。それから、養父のお客さんたちの相手もさせられた。あたしは何度も死のうと思ったわ。でも、おまえが死んでも、雅子がいるって・・。ガマンするしかなかったわ。子ども、二回堕してるわ。誰の子だかわからない子どもをね。でも、そんなことがいつまでも続くわけ無かったのね。養母の知るところになって、あたしを日暮の屋敷に置いとくわけにはいかなくなったの。そこで、養父の意思に逆らわないって条件をつけて、リョウちゃんのお父さんに、取り合えずあたしを嫁がせることにしたの。いつでもあたしを取り戻せるようにと、多額のお金と役職が条件でね。リョウちゃんのお父さんが今一緒にいる女性は、あたしが顕われるずっと前から、お父さんとお付き合いしていた人なのよ。お父さんは、お金と役職に目が眩んだのね。でもその養父は、もういないわ。あたしは、やっと自由になれたのよ。この刺青は、あたしの自由の証よ。リョウちゃん、あたしはこんな女なのよ。あたしは、いろんな男の相手をさせられた売春婦だったのよ。あなた、それでもいいの?」 
「済んだ事なんかどうでもいい。オレ、響子が好きだ。ほんとに好きだ。愛してる。オヤジなんかと別れて、オレの女房になってよ。幸せにするよ。ほんとだよ。お前が好きだ」
と、オレは響子の手を握りながら、叫ぶように言った。
雅子は、溢れる涙を手で拭っていた。そして言った。
「まいったなぁ〜。確かに、お姉ちゃんのおかげで、今のあたしがあるわ。しかし、リョウちゃん、・・あたしのお姉ちゃんを、“お前”って言われたり、“響子”って呼び捨てにされるのはイヤよ。それに、あたしとしては・・、やっぱり認めないわ。響姉ちゃんには、もっと社会的に地位があって、お金があって、そういう立派な人が相応だわ。リョウちゃんじゃ、物足りなさ過ぎるのよ」
「リョウちゃんは、あたしが選んだ、あたしのご主人様よ。それだけで充分でしょう。」
 オレは、黙って響子の顔を見つめていた。響子がオレにニコリと笑った。オレはコクンと頷いた。

つづく


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2009年01月07日

オヤジの女房はオレの女 60



リョウちゃん、なんで、あなたがあたしのお姉ちゃんを呼び捨てにするの。それに、あたしこれ、お姉ちゃんの意思とは、絶対に思えないわ。リョウちゃん、あなた、お姉ちゃんに何したの」
「雅ちゃん、やめて、リョウちゃんは悪くないわ」
「いいえ、あたしはリョウちゃんに聞いてるの。ねぇ、あなた響姉ちゃんに何したのよ」

「雅子、落ち着いてよ」
「だって、何よ、それ。それって、一生消えないんでしょう。りょうちゃん、あなた何したの。答えてよ。答えなさいっ」
と、雅子がオレに向かって怒鳴った。
「・・強姦した。もう何度もした。酷いこともした。SMもした。・・オレが悪いんだ」

「なんですってぇ〜。あなたね、響姉ちゃんはねぇ、あなたのこと・・。それをあんたはオモチャにしたっていうの」
「オレ、ガマンできなかった。だから無理やりに犯した。響子がこんなことをしたのは、オレのせいだ。全部、オレが悪い・・」
オレが言い終わらないうちに、雅子の手の平がオレの頬に飛んだ。ピシャリと音がしてオレの頬に痛みが走った。

「あんたって人は・・。あんたね、自分が何したか分かってるの」
「雅子、やめなさい。言ったでしょう。あたしは自分の意思でやったのよ。リョウちゃんは、マジックで、あたしのここに書いただけだわ。刺青は嫌がってたわ。でもね、・・でもあたしは、リョウちゃんにマジックでここに書かれた時、これ消したくないって思ったの。あたしは、リョウちゃんの奴隷になろうって、リョウちゃんのオンナになろうって、リョウちゃんのためだけに、生きていこうって、心底からそう思ったの」

「お姉ちゃん、あなたの頭、どうかしちゃったんじゃないの。リョウちゃんなんか、まだガキじゃないの。あなたをほんとに幸せになんか出来るわけないわ」
「オレ、響子を幸せにするよ」
「お姉ちゃんを、呼び捨てにしないで」
「違うわ。違うのよ、雅ちゃん。あたしの幸せは、そんなのじゃないの。リョウちゃんがあたしを幸せにするんじゃなくて、あたしがリョウちゃんを幸せにすることで、あたしも幸せになれるの」

「だって、五つも年下なのよ、リョウちゃんは。まだガキなのよ」
「いいえ、ガキじゃないわ。あたしのご主人様よ。あたし、リョウちゃんが満足するならカラダだってなんだって差し出すわ」
「なんで、そんな・・。響姉ちゃんは、妹のあたしから見ても美人よ。とってもステキな女性よ。なのに、どうして。なんで、リョウちゃんなの。もっと、いくらだって地位のある人や社会的に力のある人だって、いっぱいいるじゃないの。もっと、自分を大切にしなきゃダメじゃないの。お姉ちゃんには、その価値があるのよ。」

つづく


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2009年01月06日

オヤジの女房はオレの女 59

出会い系

 オレは、もう夢中になって、自分の出来る限りの言葉で、雅子に訴えた。すると雅子はポカンと口を開け、目を丸くして、
「なぁ〜に、それって、どういうこと? 響姉ちゃん、これって、なんなの?」
と、言った。
「つまり、そういうことよ」
と、それまで伏せていた顔を上げて、響子が雅子に言った。そして響子は、澄んだ大きな目をオレに向けると、
「でも、雅ちゃんに打ち明けるのは、ちょっと早かったかもね」
と言ってニコリとし、オレの手を握った。
「ちょっと〜〜、これって、なによぉ〜。なんでぇ。響姉ちゃん、あなた、なに考えてるのよぉ〜」
「別に、何も。ただ、リョウちゃんとの生活を大事にしたいだけよ」
「なんでよぉ。あなただったら、どこにだって嫁げるじゃないの。それこそ、お手伝いさんつきのお家にだって入れるのよ。なぁ〜に、一生、リョウちゃんのパンツ洗ってるつもりなの」
「うん、それもいいかなぁって思ってるわ」
「なんでぇ〜。もうぉ、信じれれない。お姉ちゃんの経歴なら、もうヒヒジジイの邪魔はないし、どこにだってお嫁にいけるのよ。なんで、五つも年下のオトコなの。リョウちゃんには悪いけど、お給料だって、安いでしょう。いい生活なんて出来ないわ。東大出のエリートがお姉ちゃんの写真見て、是非にって言ってくれてるのよ。バツイチになるけど、そんなの構わないって・・。それに穏やかでいい人だわ。こんないい話ないじゃないの」
「あたしはもう、他所へは嫁げないわ」
「どして?」
「だって、もう・・」
「なによ」
「いいわ、見せてあげる」
と言うと、響子は立ち上がり、いままで座っていた椅子に右足を乗せて、スカートをたくし上げた。響子の足が露になっていって、とうとう白くてキレイな右太もものつけ根まで現れた。すると、そのやや内側にクッキリと、“リョウのドレイ”と、青みががかった文字で刺青が施されていた。
 オレも雅子も、一瞬、わが目を疑った。とくに雅子には、仰天としかいいようが無かったようだ。またまた口をポカンと開けて、まさに言葉を失ったようだった。
 響子はスカートを元に戻し、何も無かったような涼やかな顔をして、またもとの椅子に腰かけていた。そして、
「これが、今のあたしなのよ」
と、誰に言うともなくつぶやいた。
「リョウちゃん、あなたなのね」
と、雅子が鋭い視線をオレに向けた。
「えっ? オッ、オレ」
「違うわ、あたしよ。あたしが自分の意思で入れたものよ。だから、あたしはもう他所へは嫁げないし、そのつもりもないわ。あたしは、リョウちゃんのモノよ」
「響子、なにも、ほんとに・・。あれは、いたずらじゃないか。なんでこんなこと・・」
「キョウコって、誰に言ってるの? いたずらってなに?」
と、雅子が咎めるような厳しい口調でオレに言った。

つづく


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2009年01月05日

オヤジの女房はオレの女 58



「だって、金は大切だよ」
「そうね。でもね、お金が有り過ぎる所に、温かい言葉はないのよ。人が智恵でなくて、お金で身を飾るようになったら、それこそ危ういのよ」
「いよぉ、哲学者。さすが、あたしのお姉ちゃんだわ」
「もうぉ、雅ちゃんたら、すぐちゃかすんだから」
「ううん、あたしもそう思うわ。だって、あのヒヒジジイの処で育ったんですもん」
「そぉ〜〜よねぇ」
と、響子が言うと、二人は顔を見合って笑っていた。
 雅子は響子に、オレのオヤジと別れて、東大出のエリートを紹介するという。確かに、こんな家でオレなんかと一緒にいるぐらいだったら、そっちの方がよっぽど、響子にとっていいことは間違いないだろう。年齢的にも響子が二十九だから、そのエリートさんとは三つ違いでちょうどいい。
 オヤジはオヤジで響子を押しつけられた謝礼として、会社で部長の役職を貰い、しかもかなりの金までせしめているという。そして別にオンナを囲い、しかもそのオンナに子どもまで、すでに生ませている。
 ならば、オヤジにしたって、響子と別れて子どもを生ませたそのオンナを女房にするべきであろうし、それがオトコの責任である。
 これはどう考えたって、雅子の言う通り、オヤジと響子は別れて、お互いに新しい人生をやり直すべきであろう。
 しかし、オレにしてみれば、響子がオレのそばから居なくなるなんてのは困るのだ。響子がこの家に来てから、すでに一年。オレは響子に生活の一切を頼ってしまっている。まずそれが心配だし、それだけじゃなく、オレの性欲を満たしてくれるのは、響子しかいないじゃないか。オンナに一切、縁のなかったオレが、これから先、響子以上のオンナにめぐり会えることなど、まず考えられない。それに何よりも、オレは響子を愛している。
雅子には悪いが、響子はすでにオレのモノだ。響子のカラダはオレのモノだ。響子はオレのオンナだ。東大出のエリートさんかなんか知らないが、いまさら響子をくれてやるわけにはいかない。オレにだって、意地があるのだ。
「雅ちゃん、あのぉ〜、オレさぁ・・」
とオレは、雅子に真剣な顔を向けた。
「どうしたの、リョウちゃん」
「うん、あのね。オヤジと別れるのはオレも賛成なんだ。でもね、でも、響子・・さん、いや、もうぉ、きょ、響子はオレのモノだ」
と、オレは雅子に向かって、ほとんど叫んでいた。
「えっ? キョウコ・・って?」
「エリートかなんだか知らないけど、オレ、響子は絶対にやらないよ。誰にもやらない。オレのモノだ・・。響子は、オレのオンナなんだ。オレ、響子を愛してる。絶対に幸せにするから。もう、泣かさないから。頑張って仕事して、金だってもっと稼いで、ちゃんと食わせるから。だから、響子・・さんをオレにください。お願いします」

つづく


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2008年12月31日

オヤジの女房はオレの女 57

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「そうねぇ、いいかもねぇ」
「もうぉ、はっきりしないなぁ。お付き合いだけでもしちゃえばいいのよ。お姉ちゃん、会ってみてよ。先方に話していい」
「いやぁ、でもねぇ・・。もう少し、こちらを片付けてからじゃないと、あちら様にも失礼になるでしょう・・」
「じゃ、いいのね。会ってくれるわね」
「待って、もう少し・・」
「あまりたくさんは、待てないわよ。だってお姉ちゃん、こんないい話、そうないわよ」
「そのようね」
と言うと、響子は顔を伏せてしまった。そして、いつか見たような沈痛な表情で、何か物思いに耽っていた。
「・・お姉ちゃん、昔みたいに、二百万の指輪ゴミ箱に捨てちゃダメよぉ〜」
と、雅子は、すでに言いたいことは言ったという、取り合えずの満足を得て、昔の話を持ち出した。
「えっ、二百万・・。ゴミ箱・・」
「そうなのよぉ」
と、雅子がオレに言葉を返した。
「響姉ちゃんが、昔、お見合いをさせられた人からのプレゼントが、二百万円もするテファニイー指輪だったの。でも、響姉ちゃん、その人のことが気に入らなくて、その指輪、家のゴミ箱にポイしちゃったの。それからよ、面白いのは。どうしたと思う?」
「もうぉ、やめてよ〜」
「どうしたの?」
と、オレは興味が湧いてきた。


「その次にその人と会ったとき、響姉ちゃんは言ったそうよ。ごめんなさい、あなたからいただいた大切な指輪、あたし、無くしてしまいました。それで、あのテファニイーの指輪、おいくらでしたでしょうかって、聞いたそうなのよ」
「うん、うん」
「そうしたらね、その人、てっきり警察にでも届ける積もりだろうぐらいに考えて、あれは二百万で買いましたって答えたそうよ。そしたらね、響姉ちゃん、何も言わないでバッグから小切手出して、二百万って数字を書いて、その人に渡して帰ってきたんですって」
「もったいねぇ〜。それで、その指輪、どうしたの?」
「あたしがゴミ箱から拾って、質屋にもっていったわ。そしたらね、リョウちゃん、なんとその指輪、三十万で引き取ってくれたわ。それで半分の十五万を響姉ちゃんに渡そうとしたら、“いらないわっ”ですって。あたし、お小遣いにしちゃった」
「うまく、やったね」
「うまくやったわ」
と、雅子がオレに言って笑った。
「もう、やめよぉ〜、そんな話・・」
 響子が恥ずかしそうに、両手で顔を覆い隠していた。
「二百万円の指輪か。すげえぇ。金、持ってる奴は、持ってるんだね」
と、俺が言うと、雅子が、
「だって、その人、ある一流企業の御曹司なのよ。自分で稼いだお金じゃないわ。ボンボンなのよ」
「お金じゃないのよ、リョウちゃん」
と、今度は響子がオレに言った。

つづく
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