
「あたしなんて、さんざん、その社会的に力のある人たちからオモチャにされて、もう穢れ切ってるわ。養父に犯され、監禁され、そのあげく、養父のお客さん達や部下達からさえ、いいようにオモチャにされ犯され続けてきたオンナに過ぎないわ。リョウちゃん、あたしはそんなオンナなのよ。あたしはね、金持ち達の相手をさせられてきたオンナなの。アメリカから帰国して、しばらくして就職もきまったわ。そのお祝いだと言って、養父の主催する十数人のバーティにあたしも呼ばれたの。そして行ったら、いきなりハダカにされて、そこにいた男たちに犯されたわ。中には女の人も数人いたわ。その女達も助けてくれるどころか、一緒になってあたしのカラダで遊んでたわ。おかしな道具を使ってね。それからあたしは、ハダカのまま監禁され、毎夜、養父のオモチャにされたのよ。養父は自分が満足すると部下を二・三人連れてきて、その人たちに犯されるあたしを見て楽しんでたわ。それから、養父のお客さんたちの相手もさせられた。あたしは何度も死のうと思ったわ。でも、おまえが死んでも、雅子がいるって・・。ガマンするしかなかったわ。子ども、二回堕してるわ。誰の子だかわからない子どもをね。でも、そんなことがいつまでも続くわけ無かったのね。養母の知るところになって、あたしを日暮の屋敷に置いとくわけにはいかなくなったの。そこで、養父の意思に逆らわないって条件をつけて、リョウちゃんのお父さんに、取り合えずあたしを嫁がせることにしたの。いつでもあたしを取り戻せるようにと、多額のお金と役職が条件でね。リョウちゃんのお父さんが今一緒にいる女性は、あたしが顕われるずっと前から、お父さんとお付き合いしていた人なのよ。お父さんは、お金と役職に目が眩んだのね。でもその養父は、もういないわ。あたしは、やっと自由になれたのよ。この刺青は、あたしの自由の証よ。リョウちゃん、あたしはこんな女なのよ。あたしは、いろんな男の相手をさせられた売春婦だったのよ。あなた、それでもいいの?」
「済んだ事なんかどうでもいい。オレ、響子が好きだ。ほんとに好きだ。愛してる。オヤジなんかと別れて、オレの女房になってよ。幸せにするよ。ほんとだよ。お前が好きだ」
と、オレは響子の手を握りながら、叫ぶように言った。
雅子は、溢れる涙を手で拭っていた。そして言った。
「まいったなぁ〜。確かに、お姉ちゃんのおかげで、今のあたしがあるわ。しかし、リョウちゃん、・・あたしのお姉ちゃんを、“お前”って言われたり、“響子”って呼び捨てにされるのはイヤよ。それに、あたしとしては・・、やっぱり認めないわ。響姉ちゃんには、もっと社会的に地位があって、お金があって、そういう立派な人が相応だわ。リョウちゃんじゃ、物足りなさ過ぎるのよ」
「リョウちゃんは、あたしが選んだ、あたしのご主人様よ。それだけで充分でしょう。」
オレは、黙って響子の顔を見つめていた。響子がオレにニコリと笑った。オレはコクンと頷いた。
つづく


